このページは、難病情報センターへの問合せに用いたページを、そっくり内部用に残したものです。
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本文は難病情報センターの「自己免疫性溶血性貧血(AIH
自身の赤血球に結合する 自己抗体 (タンパク)ができて、赤血球が異常に早く破壊されておこる貧血です。いろいろな病型があり、原因もさまざまです。
体温付近(37度)で抗体の結合が強いものを温式、体温以下で結合が強いものを冷式と呼びます。
赤血球に自己抗体が結合し、補体(タンパク質の一種)と共同して血管内で赤血球を破壊するものと、自己抗体や補体を介して主に脾臓で破壊されるものがあります。
*用語: 自己抗体(じここうたい)
自分のからだの成分に対する抗体。本来は、細菌などから身体を守るために抗体は作られ、自分のからだに対しては作られません。自己免疫疾患と呼ばれる一連の病気では、自分のからだに対する自己抗体が出現して病気が起こります。
患者さんは全国で1,300~1,700人、1年間に数百人程度の新たな患者さんが発生していると推定されています。(昭和49年度、平成10年度調査)。
このうち、温式の患者さんは9割で、冷式は1割です。令和3年度の医療受給者証保持者数は、1,178人でした。
年齢は、子供から高齢者まで、幅広くおこります。
温式自己免疫性溶血性貧血は小児期に1つの小さなピークがありますが、10~30歳の若年層(女性が優位)と50歳以後に増加し70歳代がピークの高齢者(男女差はない)に多く見られます。
自分の赤血球と反応してしまう自己抗体ができることによるのです
他の自己免疫疾患(膠原病など)や悪性腫瘍(悪性リンパ腫など)
病気の原因と遺伝性:遺伝性はありません。
主な症状は貧血によるもので、だるさ、動悸、息切れ、めまい、頭痛などです。
軽い黄疸(白眼の部分や肌が黄色く見える)がみられることもあり、脾臓が腫れることもあります。慢性に経過すると胆石症を合併することも知られています。
急激に赤血球が壊されるとヘモグロビン尿(濃い色の尿)がみられます。
*用語: 黄疸(おうだん)
血液の中にヘモグロビンの分解産物であるビリルビンが溜まり、皮膚が黄色くなる状態。
*用語: ヘモグロビン尿(へもぐろびんにょう)
赤血球が血管内で急激に壊れる(溶血)ために尿の中に大量のヘモグロビンが出た状態。尿が赤ワインのような色になります。
温式自己免疫性溶血性貧血には、副腎皮質ステロイドが有効です。
副腎皮質ステロイドが無効な場合、手術による脾臓(赤血球を破壊している臓器)の摘出や免疫抑制薬も補助的な手段として行われます。
貧血が強いときは、慎重に輸血を行うこともあります。
冷式自己免疫性溶血性貧血では保温が重要な治療法となります。
また、補体に対する抗体薬(スチムリマブ)が寒冷凝集素症による貧血に対して有効です。
他の病気に合併しておきているときは、もとの病気の治療により良くなることがあります。
この病気の一部は自然経過で治癒することがありますが、多くの症例は長期間の薬物治療が必要となります。治療によって病気の活動性が抑えられれば、正常な日常生活が送れます。
なお、他の自己免疫疾患やリンパ腫などの病気を合併していない温式の場合は、診断から5年後の生存率は約80%、10年後は約70%です。
副腎皮質ステロイドは医師の指示通りに服薬してください。自己判断による服用の減量や中止は非常に危険です。
ストレスや感染症により症状が悪化することがあるため、できるだけストレスのない安定した生活を送るように心がけてください。
手洗いやうがいなどを励行し感染予防に努めましょう。
冷式の患者さんでは、寒さを避け保温に努めることが最も有効な予防法です。保温に配慮した服装や寝具を利用するように気を付け、室温に注意して下さい。手足や顔の露出部分にも注意して下さい。
温式自己免疫性溶血性貧血
寒冷凝集素症
発作性寒冷ヘモグロビン尿症
情報難病センター(自己免疫性溶血性貧血(AIHA)(指定難病61) )
https://www.nanbyou.or.jp/entry/114
自己免疫性溶血性貧血診療の参照ガイド(令和4年度改訂版)
http://zoketsushogaihan.umin.jp/file/2022/AIHA_final20230801.pdf
詳細は上記の11.関連リンク「情報難病センター(自己免疫性溶血性貧血(AIHA)(指定難病61)))をクリックしご参照ください。